フィリピン人家政婦採用の裏側、書類教えちゃいます!

POEAのルール

 

KAIさん、家事代行業やってるのですが、 フィリピン人家政婦 の受け入れってどうやってやるの?教えてください。

 

私も知りたいです!

 

こんにちはKAIです。上記のこんな問い合わせも増え始めました。

東洋経済オンラインより引用)

そもそも、外国人家政婦は、内閣府の「 日本再興戦略 -JAPAN is BACK 」、『世界で一番ビジネスをしやすくするぞ!』と言うところから始まりました!安倍首相による『日本女性の社会の場を増やそう!』と言うところから始まりました。

スタートするためには、何からしなくてはいけないの?

まずは、国の関係機関と地方自治体で構成する第三者管理委員会から、 特定機関 として認定を受ける必要があります。

 

特定機関って?

国が認める家事代行業者にならなくてはいけないのです、現在東京都では、6社((株)ベアーズ、(株)ポピンズ、(株)ダスキン、(株)ニチイ学館、(株)パソナ、(株)ピナイ・インターナショナル)が認定されております。

 

なるほど、その申請をしないといけないのですね!その前に準備しなくてはいけないことはあるの?

フィリピンの送り出しエージェントの選定、人材派遣業の免許の取得(東京都などの労働局)が必要です。*労働局では、フィリピンの関係法令の提出が求められるかと思います、欲しい方は個別にメッセージください。

 

フィリピンの送り出しエージェント?

 

いわゆる送り出し機関と呼ばれるフィリピン人を各国に派遣している民間のフィリピン企業です。 1,000社以上 もフィリピン国内に存在しています。

 

1,000社も!どうやって選んだらいいの?

どこもコンビニのようにと、手当たり次第で選んではダメです!自社でトレーニング(家政婦、語学)施設があるか、交通の便がいいところにあるか、わからないことがあったら対応してくれるか、日本人がいるか、しっかり調査する必要があります。なので、日本に家政婦が派遣しているところがいいでしょう!

そうなんだ、しっかり選ばないと自分たちが大変になっちゃうね。

もちろん、皆仕事を取るために必死に接待や、あることないこと花を広げて来ます。ここは注意をしなくてはいけないポイントです。「 わからないことがあっても対応してくれない 」、「 フィリピン人の募集力 」がなかったなど、あとで後悔につながってしまいます。もっと言えば、日本の家事代行業そのものがうまくいかなくなってしまう大きな原因になってしまいます。

じゃあ、エージェントが決まったら、特定機関の申請だ。そのあとはどうするの?

正式に、フィリピンの送り出しエージェントを契約を結びます。その後は六本木にある、フィリピン大使館内のPOLO(フィリピン労働省の組織:ここが書類の審査を行います)に契約書等を送り審査を受けます。

*POLO: Philippines Oveaseas Labor Officeの略、フィリピン労働省の傘下であるフィリピン海外雇用庁組織で、日本だけでなく、世界の国々に設置されております。

その時に必要な書類って?

こちらが、フィリピンの家政婦事業に対する全ての詳細です。

(1ページ目のみ)

 

うわー全部英語だ、困ったな。

大丈夫です、しっかりした送り出しエージェントを選べばこちらの補助もしてくれます。

それなら、安心だね。

提出書類の詳細(フィリピン政府は、今回の家事支援制度について、人材派遣と考えており、人材派遣会社と雇用主と二つの固有名詞が登場している。日本国内では”直接雇用”と定義しているため重複する提出書類があるが、心配をすることはない。)

・SPA(委任状)ー フィリピンの法律では、人材派遣業を持っていない外国人が直接インタビューをしてはいけないため、フィリピンの送り出しエージェントが人材派遣業のライセンスを日本企業に付与する。(フィリピンのエージェントが作成して、フィリピン国内で公証するのでご安心を。)

・会社の登記簿謄本、人材派遣業のライセンス、特区で許可された時の証明書 ー 全て英語の翻訳をつける。

・マンパワーリクエスト(人材リクエスト)ー 何人の家政婦が必要で、給料はいくらか、手取りはいくらかを記載し、会社の代表者によるサインをする。

・ジョブオーダー(職種オーダー)ー 上記と同様

・フィリピン人家政婦と日本の企業が結ぶ契約書の雛形(企業の代表者のサインを載せるが、雛形のためフィリピン人の名前が入る場所は開けておいて問題はない)ー 最低賃金が超えているかなどを確認する目的で提出される。

・フィリピン送り出しエージェントと日本の家事代行企業の契約書 ー フィリピン政府が発表した提出必須項目にはないが、提出必須として、求められる。日本国内で公証する必要あり。

結構大変そうだなー

初めて作業する場合は、難しいかもしれませんが、一個ずつは単純作業なので確実に一枚一枚作業していけば1週間もかからないと思います。

なお、宛先は、〒106-8537 東京都港区六本木5-15-5 POLO 御中 (返信用封筒もお忘れず)

提出してからどれくらいで認証終わるの?

ケースバイケースではあるが、だいたい遅くとも1ヶ月以内には完了し、お手元に届くと思います。その後は、フィリピンのエージェントに郵送していただければ、日本サイドでの仕事は一段落です。

書類やってる時に、一緒に面接やっちゃえばよかったじゃない?

ここが、フィリピンの難しいところで、全ての書類が終わらない段階での募集・面接は違法行為です。何人もの日本人が逮捕されていますので、やめておきましょう!法律遵守しない送り出しエージェントもありますが、非常に危険です。

ルールはしっかり守って、面接だね!

フィリピンのルールでは

1、23歳以上

2、1年以上の家政婦の経験があること(フィリピン国内、海外構わず。ホテルでのハウスキーパーは「家政婦」として入管は認めませんのでお気をつけください。)

3、「家政婦」の免許(NCⅡ)の保有(フィリピンでは、「ハウスキーパー」の免許もありますが、「家政婦」(Domestic Work NCⅡ)の免許しか認めません)

4、日本語資格N4(JLPT)相当(送り迎えなどのサービスがない場合は必須とされず、日本ではダスキンさん以外は日本語資格を免除されているようです)

が最低募集の範囲です。

結構細かく分かれてるんだね。だいたいどんな感じでフィリピン国内の書類は流れるの?

面接後、内定を受けた子は、健康診断を受け免許取得に臨みます。

トレーニングに入るんだね。

トレーニングセンターも3年以上の経験がない施設は、適切でないと判断されるので、こういった施設を持っているか、又は、外部に委託できるのか、も契約段階で調べる必要がありますね。

通常で218時間ほどでトレーニングが終了し、免許に値するテストされます。この資格は、中東に出稼ぎにいくフィリピン家政婦にも必須なので、欧米に近いテーブルセッティングなんかをテストされます。合格しないと日本にいけないので、皆真剣に合格を目指しています。

合格後、2−3週間でNCⅡの証明書とトレーニングの修了証がフィリピンの教育庁(TESDA)から発行されます。

待っている間は、時間があるので、独自のトレーニングを入れてもいいと思います。

その証明書とトレーニングの修了書ってどこに提出するの?フィリピン政府?

これは、日本の入管に提出する書類になります。

証明書が出たら、フィリピン家政婦たちは自分たちでフィリピンの外務省に行きます。

 

外務省?

フィリピンは、偽物の書類が多く、本当の証明書なのかフィリピンの外務省が本物かを確かめてくれるんです。これがないと日本の入管も受け付けてくれません。承認された書類はレッドリボンと呼ばれ、赤い紐が書類につけられます。

(https://dumaguete.com/red-ribbon-document-authentication/)

すごい、そんなのがあるんだ!

これらが完成したら、入管に提出する書類がついに集まります。

1、入管申請書類(リンク参照)

2、写真(縦4cm×横3cm) 1葉 (背景白)フィリピンは、笑ったり、写真の下に自分の名前を打ち込んだりするので気をつけてください。

3、返信用封筒(会社の住所を記入し,392円分の切手(簡易書留用)を貼付) 1通

4、特定機関基準適合通知書の写し(東京都であれば、東京都からの通知)

5、雇用契約書の写し(フィリピンサイドで契約書にサインをさせる)

6、雇用証明書(フィリピン国内もしくは、海外で働いていた証明書をかつての雇用主に書いてもらう、その後フィリピン国内で公証)

7、修了証など

(1)トレーニングの修了証明書の写し 1通 (COCと呼ばれています)*certificate of Completion

(2)『家政婦』免許(NCⅡ)の写し 1通

8、日本語能力試験(JLPT)N4以上の認定結果など(免除されている場合は、免除されているという書類を添付)

これで入管に申請に行けるんだね!だいたいどれくらいの期間かかるの?

2週間で出た時があったり、1ヶ月以上かかったり、審査官によってもちがいます。場合によっては、後から出したにも関わらず早かったケースもありました。

無事に入管で書類が通過したらどうしたらいい?

無事に通過するとCOE (Certificate of Eligibility)と呼ばれる、ビザを取得するに値するという通知が出ます。この時点ではまだビザではありません。

 

まだビザではないんだね。

 

このCOEも又、(めんどくさいですが)、フィリピン大使館のPOLOで認証してもらう必要があります。この提出時にも雇用契約書も提出します。だいたい1週間で認証がおります。おりましたら、再びフィリピンのエージェントに当書類を発送することになります。

この次はフィリピンのエージェントの業務なんだね。

はい、フィリピンの送り出しエージェントは、その受け取った書類を持ってフィリピン人家政婦のビザの申請に行きます。現在は、フィリピンの日本大使館に直接持ち込めないので日本大使館が認める旅行代理店に依頼することになります。申請してから、だいたい3日後についにビザが出ます。

 

やっとビザが出るんですね。その後も何か手続きがある?

 

ビザが出ましたら、今度はフィリピン政府が定めるセミナーに参加する必要があります。これは、フィリピンサイドではOWWA/PDOSと呼んでいます。セミナーは現在火曜日と水曜日で開催されていますが、不定期であり、非常に頭の痛い問題でもあります。60名以上集まらなければ開催されないなど、ずっと待たされるケースもあります。

 

無事にセミナーも受講したら、あとは出国ですか?

 

セミナーの受講証明書とビザを持って、POEA(フィリピン海外雇用庁)にOEC(出国許可)の申請を行います。これも昨年までは即日出ていましたが最近は少し時間がかかり3-5日かかっています。許可が出たらやっと日本にいける状態になります。(最終健康診断が必要な場合は、適宜入れられると良いかと思います。)

 

トータルでどのくらい期間がかかりますか?

 

経験上では、面接終了後から最速で3ヶ月と2週間かかっています。4ヶ月かかるとみていいと思われます。(すでに免許を有しているフィリピン人家政婦であれば、1ヶ月以上は短縮できそうです。

これから始まる特定技能もこのような流れになることが予想されます。あらかじめ上記の時間軸を考慮に入れられ動かれることをお勧めします。トレーニングに関しましては、ビザの待ち時間などを有効に使い、人材の底上げに有効活用されるといいと思います。

長々とありがとうございました、KAIでした。

 

 

 

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